年を重ねると、耳が聞こえにくくなる方が多いですが、年だからと放置せずにしっかり対策をすることが大切です。
音が聞こえる仕組み
■ 音が聞こえる仕組み
■ 耳の外から音が耳に入ると、外耳道を通って、鼓膜に到達します。
■ 鼓膜に音が届くと、耳小骨に音が伝わります。
■ 耳小骨の振動が蝸牛に伝わり、電気信号に変換され、神経に伝わって脳に送られ、「音」として認識されます。
加齢性難聴とは
年を重ねると耳が遠くなってくる加齢性の難聴は誰でも起こる可能性があります。
50歳を超えたころから少しずつ増え、65歳を超えると一気に増えます。早い人では、30代から徐々に聞こえにくさが進行している人もいます。
どんな音が聞こえにくい?
初期では、すべての音が聞こえにくいわけではありません。
☑ 高くて小さい音から聞こえにくくなる
☑ 進行すると、徐々に低くて大きい音も聞こえにくくなる
☑ 音がゆがんだりひずんだりして聞こえるため、単純に音や声を大きくすれば聞こえるという ことではない
このように、進行すると徐々に聞こえにくい音が増えていきます。
例えば、初期~中期の会話のポイントとしては、大きな声で話すより、低い声で話すことです。
難聴の方との会話で大きな声で耳元で話しかけるのをよく見かけますが、高度の難聴を除いては、正面から低い声でゆっくり話すことをおすすめします。
高齢者の方は、同じ大きさの女性の声より男性の声が聞き取りやすいのです。ただ、女性の場合でもできるだけ低い声で話すようにするととても伝わりやすくなりますよ。
大きな声で話そうとすると声が高くなるので注意してみてください。
加齢性難聴の原因
では、なぜ難聴になってしまうのかというと、音を感じ取る働きをする蝸牛の中にある有毛細胞が壊れたり、減ってしまうことが原因といわれています。これが、加齢性難聴のメカニズムです。
この有毛細胞は、一度壊れて減ってしまうと元には戻らないため、壊れてしまうことを防ぐことが、難聴を予防するためには必要です。
加齢性難聴の原因として、下記のようなものがあります。
☑ 糖尿病
☑ 高血圧
☑ 脂質異常症
☑ 動脈硬化
☑ 喫煙
☑ 飲酒
☑ 騒音
糖尿病、高血圧、脂質異常症、動脈硬化、喫煙、飲酒は脳や耳への血流の低下を招き、栄養が十分に届かなくなり有毛細胞が減ってしまう原因になります。
↓高血圧、動脈硬化、飲酒、喫煙についてはこちらの記事をご覧ください↓
また、騒音については、車の騒音程度以上の音を聞く場合、音の大きさと聞いている時間に比例して、有毛細胞が傷いて、破壊されます。これは、加齢と関係なく、若い人でも大きな音を聞き続けると、有毛細胞が破壊され、聴力の低下を招きます。ヘッドホンやイヤホンで大きな音を聞き続けることによって耳がきこえにくくなってしまうヘッドホン難聴もその一つです。
難聴の予防方法
生活習慣病を予防する
高血圧や動脈硬化、高脂血症などは全身の血流を悪くし、耳にもダメージを与えます。生活習慣病を予防して、血管や心臓を健康に保ち、耳をダメージから守りましょう。
血流をよくする
全身の血流をよくし、耳への血流も改善することが大切です。
■ 体を温める
入浴や運動、体を温める食べ物や飲み物を摂るなどの習慣をつけましょう。
■ 運動する
ストレッチやウォーキングなど軽い運動でもOKです。
■ 耳のマッサージ
耳への血流を物理的に改善するためにマッサージが有効です。耳をかるくつまんで引っ張ったり、回したり耳の周囲をマッサージしましょう。
大きな音を長時間聞かない
音量を上げすぎないこと、長時間聴き続けないことが大切です。
イヤホンやヘッドホンを使う場合、ノイズキャンセル機能搭載のものがおススメです。不要な音をカットしてくれるので、音量を上げすぎることなく音楽やラジオなどを楽しむことができます。
電車通勤などでは、電車の騒音が大幅にカットされるため、快適に聴くことを楽しめます。
私も以前は、ノイズキャンセル機能のないイヤホンを使っていたのですが、耳が痛くなってきて、ノイズキャンセリングイヤホンに変えました。今は長時間聴いても全く耳が痛くなったりすることはなくなりました。
↓私個人のおすすめのイヤホンはこちらです。このワイヤレスイヤホンをずっと愛用しているのですが、耳へのフィット感、ノイズキャンセル機能が素晴らしいです。長時間使っても耳が痛くなりません。初めて使ったとき、周囲が静かになりすぎてびっくりしました。電車通勤、幹線道路沿いを歩くなど騒音があっても、しっかりクリアな音を楽しめます。↓
耳が聞こえにくいことで生じるリスク
難聴を放置しておくと、認知機能の低下のリスクが高くなることが分かっています。
耳が聞こえないことによって、脳への刺激が少なくなり認知機能が低下したり、他者とのコミュニケーション機会が減ったり、会話がおっくうになり閉じこもってしまったりします。
閉じこもりがちになったり、他者との交流が減ることは、フレイル(高齢者の虚弱状態)を招きやすくなり、ひいては要介護状態になりやすくなってしまいます。
また、耳が聞こえないことで外の音が聞こえにくくなり事故や転倒などにもつながるリスクがあります。
このようにさまざまなリスクが増大してしまうので、年だからと放置せずに適切な方法で聞こえを改善して、快適に過ごせるようにしましょう。
高齢者の方はご自身で気づけない場合もありますので、ご家族の方も「あれ、なんか聞こえてないかも?」と思ったら、すぐに対策されることをおすすめします。
【用途別】難聴をサポートしてくれる道具を使う
■ TVの音が聞こえにくい方 ⇒ スピーカーを使う
まず、テレビの音を大きくしないと聞こえない方にはスピーカーがおススメです。
このスピーカーは、テレビの音を、ただ大きくするのではなく、難聴の方が聞こえやすい音に変換して届けてくれるスピーカーです。
たとえば、家や施設などでテレビの音を大きくしてしまう方がいて、他の方はうるさいと感じてしまうときなどに大変有効です。同じボリュームでも難聴の方にとって聞き取りやすい音になるため、みんな同じボリュームでテレビを楽しむことができます。
操作もとても簡単で、テレビ横に設置して、ON/OFFと、音量をお好みのボリュームに合わせるだけです。
会話が聞き取りにくい・騒がしいところでの会話がしにくい ⇒ サポートイヤホンを使う
通常の集音器にはない機能を搭載したサポートイヤホンです。
例えば、周囲の雑音を除去するモード、周波数毎の音の調整など、その方に合った調整をして使うことができます。雑音除去システムにより、会議や家族との会話などで聞きたい声を大きくクリアに変換してくれて、会話を楽しむことができます。
補聴器と違って、何度も補聴器屋さんにお願いして調整することなく、必要な調整はアプリで簡単な検査をすれば、自動でその方に合った状態に最適化。
こんな方におすすめです↓
・最近会話で聞き返すことが増えた方
・大人数での会議や騒がしい場所での会話が聞き取りにくい方
・TVの音が大きいと家族に言われることが増えた方
・補聴器や集音器を買ったけれど、使いづらく使わなくなってしまった方
小さい音が聞こえない ⇒ 集音器を使う
↓人間の耳と同じ働きをする人工耳介を搭載し、補聴器では得られない「立体的で自然な音」が聞こえる集音器です。購入前にお試しできます↓
↓音を大きくしてくれる集音器です。装着していても邪魔にならないイヤホンタイプが人気です。↓
しっかり診察や調整をしてほしい ⇒ 補聴器を使う
補聴器は管理医療機器です。耳鼻科を受診して、適切な補聴器を作成しましょう。
診察や検査を受けて、どの音が聞こえにくいか、どれくらいの大きさが適切かなどを専門の方が調整してくれます。
まとめ
最後までお読みくださりありがとうございます。
耳が遠くなることは誰にでもおこりうることです。
まずは自分でできる予防策を講じて、耳を大切にしてお過ごしください。
聞こえにくくなってきたら、適切な道具を使って、しっかり聞こえる状態にサポートしましょう。
体と脳を元気に保つために、しっかり聞こえるということはとても大切です。
↓ポチッと応援していただけるとうれしいです↓
にほんブログ村
健康と医療ランキング