骨折と骨粗しょう症~原因と予防策~

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この記事の筆者
ゆめ先生

主に介護分野で働く作業療法士(リハビリの国家資格)。
修士(医学)。大学院博士課程(リハビリテーション学)在学中。
健康全般にとにかく興味あり、分子栄養学の資格取得。
みんなに元気に生きてほしい。

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骨粗しょう症と骨折~原因と予防策~
ゆめ先生
ゆめ先生

若い人も、高齢者にも起こりうる骨折ですが、骨がもろくなっていると非常に起きやすくなってしまいます。加齢とともに骨はもろくなりますので、若いうちからしっかり対策しておくことが必要です。

骨の構造

骨の構造コラーゲンとカルシウム

■ 骨は、コラーゲンでできた土台の上に、カルシウムがくっついた構造になっています。

■ マンションなどの建物の鉄骨(コラーゲン)と、コンクリート(カルシウム)のような感じです。

■ 丈夫な骨を作るためには、しっかりとしたコラーゲンの土台と、ぎっしりと敷き詰められたカルシウムが必要です

骨はどうやって作られている?

骨代謝のサイクル

■ 骨は体内で常に古いものから新しいものに作り変えられています

■ 古い骨は、破骨細胞という骨を破壊する細胞によって吸収されます

■ そこに、骨芽細胞という骨を作る細胞が集まり、コラーゲンで骨の土台を作り、そこにカルシウムをくっつけて新しい骨を作ります

骨粗しょう症

骨粗しょう症とは

骨粗しょう症は、加齢に伴って増え、特に女性に多い病気です。骨量が減って、骨がもろくなり骨折や骨の変形、関節の疾患などが起こりやすくなります

骨の量は、30歳くらいでピークを迎え、そこから徐々に減っていくと言われています。30歳を超えたあたりから、しっかり対策を始めておくと、高齢になっても丈夫な骨を維持することができます。

健康な骨と骨粗しょう症の骨の比較

■ 健康な骨は、ぎっしりと中身が詰まっていますが、骨粗しょう症の骨はスカスカです

■ 骨粗しょう症の骨は、もろくて折れやすいです。自覚症状はなく、普通は骨折しないような衝撃で骨が折れてしまうことがあります

高齢者に多い骨折

高齢者は、骨粗しょう症の診断を受けている方も、潜在的な骨粗しょう症の方もとても多く、転倒などで骨折する方が非常に多くなります。

転倒する高齢者

転倒で多い骨折は、背骨がつぶれてしまう腰椎圧迫骨折や、太ももの付け根の骨が折れる大腿骨頸部・転子部骨折などです。

腰痛を訴え、検査をしたら腰椎を骨折していた、咳で肋骨が折れたなどさまざまな骨折が起こります。

骨折(骨粗しょう症)

腰椎が折れてしまうと、その後も長く腰痛が続いてしまったり、腰が曲がったり、歪んだり、歩行が難しくなってしまうことがあります。

大腿骨の骨折では、手術が必要になったり、高齢のため手術ができず、そのまま歩行は困難になってしまうこともあります。

車いすののる高齢者

高齢者の骨折は、その後の生活に大きな影響を与えてしまうことになるケースが非常に多いので、できる限り転倒や骨折せずに元気に過ごしてください。

なぜ骨粗しょう症になる?

骨粗しょう症の骨代謝

なぜ、骨粗しょう症になってしまうのかというと、正常な骨代謝では、破骨細胞に壊された骨を、骨芽細胞がどんどん新しくしていける状態。骨の材料であるタンパク質(コラーゲンを作る)やリン酸カルシウムも豊富に体内にある状態なので、スムーズに丈夫な骨を作ることができます

一方、骨粗しょう症の場合、破骨細胞による骨の破壊スピードが速くなり、骨芽細胞が修復していくのが間に合わず、どんどん骨が破壊されていっている状態です。材料であるリン酸カルシウムが不足している場合も、もろい骨しか作ることができません

健康な骨と骨粗しょう症

丈夫な骨を作るためには、が破壊されるスピードと作り出すスピードの均衡がとれていることと、新しい骨の材料が充実していることが必須の条件です。

なぜ骨破壊のスピードが速くなる?

女性の場合、男性に比べてもともと骨量が少ないことと、閉経後のホルモンバランスによって骨の破壊スピードが速くなり、骨の形成が遅くなると言われています。

この機序に関わるホルモンが、女性ホルモンひとつであるエストロゲンです。

エストロゲンには、骨の破壊を抑制し、骨の形成を促す働きがあります。そのため、エストロゲンが活発に分泌されている時期には骨密度は高く保たれますが、閉経後のエストロゲンの分泌量の減少に伴って、骨密度が急激に低下します

予防方法

骨密度の急激な低下を予防するためには

エストロゲンの減少に伴う骨密度の低下を予防するためには、エクオールの摂取が有効です。

エクオールとは、エストロゲンと同様の働きをする成分で、更年期障害や生理に伴う不調などにも用いられます

エクオールは、個人によっては体内で作り出すことができる成分なのですが、日本人女性の約半分程度しか自分で作り出すことができいないとされています。

エクオールを作り出せる体質の方は、大豆イソフラボンを摂取することで、腸でエクオールを作りだすことができるので大豆製品を摂取することで、エストロゲン様の物質を体内に増やすことができます。

大豆イソフラボン(豆乳)と大豆

エクオールを作りだせない体質の方は、エクオールサプリメントの摂取で、骨密度の低下を有意に抑制したと示されています。

ご自身の体質がどちらかは、エクオールの検査キットを使用して簡単に自宅で検査することができます。気になる方はチェックして、ご自身の体質を知っておくと対策がしやすくなります。

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必要な栄養素

必要な栄養素

 ・タンパク質

 ・カルシウム

 ・マグネシウム

 ・ビタミンB

 ・ビタミンD

 ・ビタミンK

■ タンパク質

 タンパク質は、体内で分解されて、コラーゲンの材料であるアミノ酸になります。コラーゲンは、骨 の土台と作る成分なので、しなやかで強い骨を作るためにはタンパク質の摂取が必須です。

タンパク質は、体重にもよりますが、一日60~70 gは摂るようにしましょう毎食、こぶし一つ分くらいの肉や魚、卵などを食べるとおおよそ必要量を摂取できる計算です。

タンパク質を含む食品

食べ物だけでは難しい方は、プロテインを飲むようにすると手軽にタンパク質を摂取できます

↓水に溶かす手間なく、1本200 mlで15 gのタンパク質を摂ることができます。常温保存可↓

■ カルシウム

カルシウムを含む乳製品

 カルシウムはコラーゲンと並んで骨の主成分です。コラーゲンの土台にカルシウムがくっついて骨を作っているため、カルシウムが不足すると骨量が低下してしまいます

↓カルシウム結合タンパク質(CBP)は、カルシウムの定着に着目した成分です。カルシウムを効率よく摂取したい方向けの配合です。↓

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■ マグネシウム

 マグネシウムも骨に含まれ、骨を強くする役割を果たしています。

↓カルシウムとマグネシウムをバランスよく摂りたい方に↓

■ ビタミンB

 ビタミンBの不足で、骨密度、コラーゲンの劣化につながります。ビタミンBが不足すると、タンパク質の代謝が正常に行われず、コラーゲンの生成に支障を来たします

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■ ビタミンD

 ビタミンDはカルシウムの吸収を高めます。ビタミンDは、経口摂取のみではなく、日光を浴びることで体内での合成が促進されます

日光を浴びる高齢者

■ ビタミンK

 骨にカルシウムをしっかりくっつける役割を果たします。

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骨に負荷をかけると骨が強くなる

骨に荷重したり、負荷がかかると、電気刺激が発生し、カルシウムが骨にくっつきやすくなり、骨が強くなります

例えば、ランニングやウォーキング、なわとびなどもおすすめです。他にも、立って背伸びをして、踵をトンっと床に下ろす、座って足踏みをするなどでもOKです。

ウォーキングする高齢者

寝ている時間が長いと、骨に負荷がかかりにくく、骨が弱くなってしまうので、できれば、座ったり、立位をとったりするようにしましょう。

ベッド上の高齢者

まとめ

最後までお読みくださりありがとうございます。

高齢になる前から骨を強くしておくことがとても大切です。皆様、丈夫な骨で、元気な老後を過ごしてください。

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